もろもろの好きについて

ふきでもののような人間が舞台の感想を書いたりします ※2018.10 King&Princeの岸優太くんに嵌りました→2019.5 Travis Japan勉強中です

「ストックホルムでワルツを」

予告編の「旅立てジャック」に惹かれて鑑賞。1960年代からの素敵なオンボロ劇場、平日の昼間では貸切だった。映画の舞台も1960年代。おお、図らずもうってつけ。

スウェーデンのジャズ・シンガー、モニカ・ゼタールンドの数年間を描いた実話ということだけど、彼女を存じ上げていなかったので人間ドラマとして観ました。予告に目を通してから鑑賞したのだけど、んん、日本の予告編や宣伝ビジュアルは、ほっこりと力強いサクセス・ストーリーを連想させる。そんなもんじゃなかった。モニカの奔放さは見ていてイラつくほど不器用で、父とのギクシャクした空気なんかは特にもどかしい。苦い。すっぱい。うんとこどっこいスターになっていくモニカだけど、がむしゃらに上を目指すあまりに周囲の愛に向き合えなかったり、自分の心身はボロボロになったり。とても苦しかったのは、舞台初日直前に流産してしまい、それでも舞台に立つシーン。その舞台で、私こんなに働いて偉いでしょ♪とコミカルに歌うのだ。コミカルなモニカも人気で、客席は沸く。本人は笑われるような状態じゃないのに。公私がオーバーラップしながら、公私のズレを表していたシーンだと思う。そしてプライベートがどんなに廃れてもステージ上で歌うモニカはどうにも美しい。表舞台にいるべき人だ。拍手を浴びる姿がいい。夫に「お前は拍手がなければ3分と一人でいられない」なんて言われちゃう。常に周りの評価から逃れられない。スターの恐怖だ。突拍子もない主人公には特に共感することはないけど、スターの美しさとそれが抱える恐怖に、私は拍手を送りたくなった。

ジャズ・シンガーのお話ということで、有名な曲が小気味好く流れるし、北欧のファッションやインテリアが可愛い!カフェで「テイク・ファイブ」を口ずさむシーンはとってもワクワクする。モニカが着ていた上品なブルーのニットタンクが素敵だったので、あんな服が欲しい。