もろもろの好きについて

ふきでもののような人間が舞台の感想を書いたりします ※2018.10 King&Princeの岸優太くんに嵌りました→2019.5 Travis Japan勉強中です→2020.8 Aぇ!groupも最高やん…

「夕陽伝」

「夕陽伝」10月28日昼@サンシャイン劇場

初Dステ。岡村色炸裂だが、岡村さんの演出に慣れているぶん見やすかった。古事記の神話を下敷きとしたお話は好みのテイストで、大枠を掴みやすい。*1そして長編を予感させる。長編の小説かなにかを詰め込んで舞台化したと言われても頷けるような。

ただ、これほど主人公に愛着のわかない作品はなかなか珍しいぞ!先日、BSフジの古事記の番組で、日本神話は「中空構造の神話」であると指摘されていたのを思い出した。(詳しく調べていないのでとんちんかんかもしれんが)まさに、中心である海里(瀬戸康史)はほとんど空っぽだとさえ思いながら物語を見ていたのさ。海里が周囲からどう思われているか、国にとって海里はどうあるべきかの言葉がある一方で、海里の中身をえぐり出すような描写は少なかった気がする。けど、自分が海里に興味がなかっただけで見逃してたらスミマセン。

とにかく私は、出自に途方のないコンプレックスを抱えているキャラクターが好きだ。それを本作では「異形」と言った。真多羅(鈴木裕樹)や毘流古(池岡亮介)が私にとっての主人公。今回の池岡さんの巧さはいろんなところで話題でしょうが、逐一ココでも「毘流古がイイ!」と書いておきます。殺すときの享楽は、同時に自分自身をも斬りつけているように見える。でもその痛みも感じぬ、すっかり麻痺した心。冷たい美しさが舞台をピリッとさせてくれました。それと二刀流の殺陣がひたすらカッコイイので目だけでも楽しめるよ。

じくじくした中身のキャラクターに囲まれているぶん、真ん中にいる海里がちょっとやっぱり残念。しかし、そんな海里だから中心にいられるのだろうかと、この物語のバランス感覚を考える。「幽悲伝」のネタバレ待機だな。

*1:物語や人物についてはこちらhttp://yuhiden.dstage.jp/pages/36986/static