もろもろの好きについて

ふきでもののような人間が舞台の感想を書いたりします ※2018.10 King&Princeの岸優太くんに嵌りました→2019.5 Travis Japan勉強中です

【感想】クロードと一緒に

「Being at home with Claude 〜クロードと一緒に〜」

2019年4月17日(水) Blanc @横浜赤レンガ倉庫1号館

 

救いようがない。そう思って、悲しくなった。

 

2015年シアタートラムの再演で松田凌のイーヴを見てから、ず~っと、心の隅っこに小さく丸まって眠るイーヴがいてね。気の毒なほど不器用で、素直なひねくれ者で、刃物のように鋭くて、脆いイーヴ。

心の内を吐き出してボロボロになったあの顔が忘れられず、ときどき思い出しては、その度にギューッと抱きしめているつもりでした。

だから今回の上演もすごく楽しみで、ドキドキしながら赤レンガへ向かった。

 

会場を出たころには、頭痛が酷くて、気分も悪くて、駅までの道が長く感じた。

前回と演出が大きく異なっていて、ちょっとそれがショックすぎた。中盤までは、前回と同様に取り調べが進む。しかし、最後の独白の直前で刑事や速記者が捌けて、イーヴひとりが残される。しばらくの沈黙があり、独白を始める。・・・アレ、刑事が戻ってこない。・・・うそだ、やめてくれ~!!と思った。

指を指して、睨みをきかせて、イーヴがこちら側におそいかかってくる。「言葉にしてみろよ」と言われても、何も返せず、ただぼーっと固まって、彼を見るしかない。救いようがない。完全に対極にいた。前回は、イーヴの心に少しでも寄り添えたらと、どうにか分かりたいと思ったし、愛おしくてたまらなかった。でも今回は、そんなこと絶対に言えない。苦しい。

全て終わってから、暗闇の中で泣きながらイーヴが去っていく。その泣き声を聞いても、何もできない。悲しい。どれだけ時間が経ったとしても、イーヴが幸せになる未来が想像できない。悲しい。しかし、そもそも幸せになることを望んですらいないように思えた。他を一切寄せ付けない。ひたすら孤独を貫くように見えた。

ひとつ救いだったのは、クロードとの出来事をこの上なく幸せそうな表情で語っていたこと。ああ、イーヴの心はどこまでもクロードのもとにあるのだと。私がわかってあげる必要はないのかもしれない。